ほとんどの国内FX業者では禁止されているスキャルピングだが、海外FX業者では正式に許可されているところが多い。
この記事では、日本人に人気のXM(XMTrading)について「スキャルピングが許可されているのか?」「スキャルピングをする業者として向いているか?」について詳しく解説する。
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FX自体が初心者という人は、まず先に「FX初心者向け!スキャルピンのキホン」から目を通してもらうといいだろう。
XMはスキャルピングOK
XMではスキャルピングが正式に許可されている
XM公式サイトにあるQ&Aにも、以下のように「スキャルピングOK」と明確に記載されている。
スキャルピング行為が理由で、利益没収や口座凍結となることはないので安心してほしい。
出展:XM公式サイトQ&A
スキャルピング向きなのはXM Zero口座
正式にスキャルピングは認められているものの、「はたしてXMはスキャルピングに最適の業者なのか?」という疑問も湧く。
結論から言うと、XMの3つある口座タイプのうち、XM Zero口座がスキャルピングには最適だ。
残りのマイクロ口座・スタンダード口座は、他社よりも取引コストが高くつくため、スキャルピングには向いていない。
各口座タイプの主な違いは、取引形態・最大レバレッジ・最小取引数量・取引コストだ。
このうちの取引コストが、スキャルピングに向いている・向いていないに大きく関係する。
マイクロ口座 | スタンダード口座 | XM Zero口座 | ||
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取引形態 | STP | ECN | ||
最大レバレッジ | 888倍 | 500倍 | ||
最小取引数量 | 10通貨(MT4) 100通貨(MT5) |
1,000通貨 | ||
取引コスト | スプレッド | 広い | 狭い | |
取引手数料 | 無料 | 片道5通貨 | ||
スキャルピング との相性 |
不利 | 最適 |
※10万通貨あたり
XM Zero口座は、スプレッドが狭く、約定力・約定スピードに優れ、サーバーも安定している
XM Zero口座は、最大レバレッジ500倍と最小取引数量1,000通貨からという特徴から、マイクロ口座・スタンダード口座よりも資金は必要となる。
取引手数料も他社よりも若干高く、10万通貨あたり片道5通貨かかるため、多くの通貨ペアでトータルコストは他社よりも割高だ。
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往復手数料 | 1ドル | 0.6ドル | 0.7ドル |
スプレッド | 0.1pips | 0.2pips | 0.2pips | |
トータル | 120円 | 86円 | 97円 | |
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往復手数料 | 1ユーロ | 0.6ドル | 0.7ドル |
スプレッド | 0.2pips | 0.3pips | 0.4pips | |
トータル | 134円 | 126円 | 117円 | |
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往復手数料 | 1ポンド | 0.6ドル | 0.7ドル |
スプレッド | 0.8pips | 1.0pips | 1.2pips | |
トータル | 224円 | 166円 | 197円 | |
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往復手数料 | 1豪ドル | 0.6ドル | 0.7ドル |
スプレッド | 1.1pips | 0.5pips | 0.6pips | |
トータル | 188円 | 116円 | 137円 | |
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往復手数料 | 1ユーロ | 0.6ドル | 0.7ドル |
スプレッド | 0.1pips | 0.2pips | 0.2pips | |
トータル | 135円 | 86円 | 97円 |
※ スプレッドは2019年2月15日12時台の最小値、トータルは1ドル110円で円換算。
※ XMの取引手数料は、1ロットあたり片道5通貨のため、1ドル110円・1ユーロ124円・1ポンド144円・1豪ドル78円・1NZドル73円として円換算。
しかし、XMは「約定力」「約定スピード」「サーバー」が非常に優れた業者なので、スプレッドが極めて狭く安定したXM Zero口座は、本来スキャルピングとの相性はバツグンだ。
そのため、少々高い取引コストは、この安定した取引環境のサービス料として考えれば、コストパフォーマンスはとても高いと言えるだろう。
ただ、豪ドル円など一部通貨ペアは、他社よりもかなりスプレッドが広いので注意していただきたい。
また、以下の条件を満たせば、XMが推奨するVPSサーバーを無料で利用できる。
月額料金
無料
利用条件
最低(有効証拠金 – クレジットにて)USD 5,000もしくはその他の通貨相当額が口座にあり、一か月に最低5往復ロットもしくは500往復マイクロロットの取引があること。
もし、利用条件を満たさなくても、月額28ドル支払えば誰でも利用可能だ。
このVPSサーバーは、XMのロンドン取引サーバーから1.5kmの位置にあるため、裁量取引・自動売買どちらも安定した約定力で快適なスキャルピングが期待できる。
VPSサーバーは、取引サーバーとの距離が近いほど約定力が高くなる。
マイクロ口座・スタンダード口座は、他社よりスプレッドが広い
マイクロ口座・スタンダード口座は、最大888倍のハイレバレッジと最小取引数量の少なさから、少額取引に向いている。取引手数料も無料だ。
また、XM Zero口座と同様、「約定力」「約定スピード」「サーバー」も優れている。
ただし、マイクロ口座・スタンダード口座は、スプレッドが他社よりも広いため、スキャルピングはオススメしない。
スキャルピングの場合、スプレッドが広いということは、そのまま利益確定の機会喪失につながってしまうからだ。
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往復手数料 | 無料 | 無料 | 無料 |
スプレッド | 1.5pips | 1.2pips | 1.1pips | |
トータル | 150円 | 120円 | 110円 | |
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往復手数料 | 無料 | 無料 | 無料 |
スプレッド | 2.4pips | 1.4pips | 1.2pips | |
トータル | 240円 | 140円 | 120円 | |
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往復手数料 | 無料 | 無料 | 無料 |
スプレッド | 3.3pips | 1.8pips | 1.9pips | |
トータル | 330円 | 180円 | 190円 | |
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往復手数料 | 無料 | 無料 | 無料 |
スプレッド | 3.2pips | 1.7pips | 1.5pips | |
トータル | 320円 | 170円 | 150円 | |
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往復手数料 | 無料 | 無料 | 無料 |
スプレッド | 1.7pips | 1.2pips | 1.2pips | |
トータル | 170円 | 120円 | 120円 |
※ スプレッドは2019年2月15日12時台の最小値、トータルは1ドル110円で円換算。
ちなみに、マイクロ口座・スタンダード口座は、ロイヤルティプログラムというポイント制度を活用することで他社よりも取引コストを安く抑えることが可能だ。
また、XMでの取引期間が長いほどステータスが上がり、取引1ロットあたりにもらえるXMPも増えていく。
そのため、ELITEステータスまで行けば、通貨ペアによってはXM Zero口座よりも取引コストが安くなるものもあるほどだ。
しかし、このロイヤルティプログラムは、ポジションを10分以上保有しなければXMPがもらえないため、スキャルピングではこのコスト削減テクニックは使えない。
また、XM Zero口座での取引はロイヤルティプログラム対象外なので、同じくこのコスト削減テクニックは使えない。
XMでスキャルピングをするときには禁止行為に注意する
XMでは、「やってはいけないトレードスタイル」が3つある。
XMの禁止行為
- ネットワーク、接続遅延、価格誤配信だけを狙った取引
- アービトラージ(裁定取引)
- ボーナスの不正取得
これらの禁止行為を行った場合、以下のペナルティを受ける。
XMのペナルティ
- 価格・スプレッドの調整
- アカウントへのアクセス制限
- 過去の取引利益の没収
つまり、価格操作・利益没収・口座凍結となり、2度とXMで口座開設ができなくなる恐れあるわけだ。
このルールは、国内・海外問わず、多くのFX業者で禁止されている。
初心者の人が、この2つを実践することはあまり考えられない。
ただ、このトレードスタイルはスキャルピングで行われることが多い。
そのため、今後、海外FXを利用していく上では、最初にきちんとルールを理解しておいたほうが良いだろう。
ネットワーク、接続遅延、価格の誤配信だけを狙った取引
災害発生時・重要指標発表時・早朝・窓開けなどは、業者の取引サーバーにアクセスが集中することにより、稀にネットワークエラー・接続遅延・価格の誤配信が発生する。
XMでは、ネットワークエラー・接続遅延・価格の誤配信だけを意図的に狙った取引は禁止されている。
そのため、週明け窓狙い・重要指標発表時だけを狙ったトレードは利用規約違反となる。
特定のタイミングだけでなく、常日頃バランスよくトレードしていれば問題ないだろう。
アービトラージ(裁定取引)
アービトラージ(裁定取引)とは、両建て行為のことだ。
同一通貨ペアで、同時に同じ取引数量の反対ポジションを持つ行為である。
通常、両建てをした場合は、同じ価格で新規注文・決済注文をするので、片方のポジションの利益と、もう片方のポジションの損失は同額となり損益はゼロだ。
しかし、異なる口座間、異なる業者間では、瞬間的に配信価格に誤差が生じることがある。
価格誤差が生じたタイミングを狙い新規注文をして、価格誤差がなくなったタイミングで決済注文をしたとすると、相場がどちらに動いたとしても利益の出ているポジションのほうが損失の出ているポジションより大きくなる。
つまり、リスクゼロで必ず利益が得られるテクニックとなるため、当然業者は禁止する。
XMでは、以下の3つのアービトラージを禁止している。
口座間アービトラージの禁止
XMでは最大8つまで取引口座を開設することができる。
同一口座内での両建て行為は許可されているが、別々の口座間の両建て行為は禁止されている。
業者間アービトラージの禁止
FX業者の配信価格は、その業者が採用しているリクイディティププロバイダ(流動性を提供している業者)によって独自に決めている。
FX業者が違えば配信価格も当然異なるため、この業者間の価格差を利用した両建て行為も禁止されている。
グループ間アービトラージの禁止
同一人物が口座間アービトラージ・業者間アービトラージをした場合は、バレる可能性は極めて高い。
そのため、「名義の異なる口座を使い、何人ものトレーダーが協力し合ってアービトラージをすれば、バレないのでは?」と考えることもできるが、実際はそんなに甘くはない。
特定のグループを利用した、両建て行為もちゃんと禁止している。
XMでは、過去にグループ間アービトラージを行った口座に対して、利益没収・口座凍結を実施している。
FX初心者向け!スキャルピンのキホン
最後に、FX初心者向けにスキャルピングの基礎知識を解説する。
XMだけでなく、そのほかの国内FX業者・海外FX業者にも共通する基本的なことなので、より理解を深めたい人はこちらを参考にしてほしい。
そもそもスキャルピングってなに?
スキャルピングとは、超短時間で薄利を狙うトレードスタイルのことを指す。
数秒の間に新規注文・決済注文を繰り返し、狙う利幅は極端に狭い。
狙う利幅が狭いがために、必然的に取引回数が増えると言い換えることもできる。
基本的にマーケット情報などはあまり考慮せず、テクニカル分析を使って局所的にトレードをする。
大局的な相場の動きを予想する必要がないため、自分なりのルールを決めて実践すれば、極めて有効なテクニックだ。
良いスキャルピングと悪いスキャルピングがある
スキャルピングと聞くと、ギャンブルのような取引をイメージする人もいるかもしれない。
しかし、実際スキャルピングで稼いでいるトレーダーは、実に計画的なトレードをしている。
スキャルピングには、良いスキャルピングと悪いスキャルピングの2種類がある。
良いスキャルピングとは、計画的なスキャルピングだ。
利幅はいくら・損切り幅はいくらといった感じで、自分なりの取引ルールを事前に決めて、意識的にトレードをすることである。
反対に悪いスキャルピングとは、無計画のスキャルピングだ。
感情に従ってその場その場の判断でトレードをすると、一貫性のない取引によって負けることのほうが多い。
初心者の人の中には、トレードに慣れていないため、少しでも損失が膨らむとすぐに決済してしまいがちだ。
また、もっと利益が伸ばせたはずなのに、焦ってすぐに利益確定をしてしまうということもよくある。
この2つを短期間に繰り返すことで、結果的に典型的な悪いスキャルピングとなってしまう。
スキャルピングに必要な条件とは?
- 正式に許可されていること
- スプレッドが狭いこと
- 取引手数料が安いこと
①については業者によってさまざまなので、事前に確認しておけば問題はない。
問題は、②③の取引コストだ。
取引手数料は、言うまでもなく取引コストだと分かる。
それに加えて、FXでは売値と買値の価格差であるスプレッドも重要な取引コストになると認識してほしい。
FXでは、「買いポジションなら売値より高く買う必要がある」「売りポジションなら買値より安く売る必要がある」といった仕組みによって、ポジションを持った時点ですでに評価損益がマイナスになってしまうのだ。
このマイナス分が、トレーダーが負担する取引コストとなる。
そして、XMも含め、海外FX業者の多くはこのスプレッドが変動制だ。
どのくらい変動するかは、タイミングによっても、業者によっても異なるため、自分なりに十分調べてから利用しなければいけない。
ちなみに、XM Zero口座のスプレッドは非常に狭く安定している。
スキャルピングは1日の取引回数が、少なくても数十回、多くて数百回にも及ぶ。
例えば、同一口座で同じ1万円の利益を出すために、デイトレードでは1回、スキャルピングでは10回で達成したとしよう。
この場合、スキャルピングにかかった取引コストは、デイトレードの10倍だ。
利益に対しての取引コストの割合も、1%と10%もの違いが出てくる。
そのため、いかにスプレッドと取引手数料を安く抑えられるかが、業者選びのポイントと言える。
ただし、XM Zero口座のように、高い取引手数料を支払うだけの価値がある、優れた取引環境の口座もあるので、あくまで参考として考えてもらいたい。
海外FXのほうがスキャルピングに適している
- ハイレバレッジで取引できる
- サーバーが強い
スキャルピングは、取引一回あたりの利益が少ないため、自然とハイレバレッジでトレードがしたくなる。
レバレッジを2倍にすれば、同じ掛け金でも利益が2倍になるからだ。
しかし、国内FXのレバレッジは最大25倍に制限されている。
その点、XMは最大888倍で取引可能だ。
他の海外FX業者では、1,000倍というところもある。
また、スキャルピングによって極端に取引回数が増えると、業者の取引サーバーにも負荷がかかる。
タイミングによっては、一部のスキャルパーのせいで、ユーザー全体の約定力が落ちてしまうこともあり得る取引だ。
そのため、取引の公平性を保つために、国内FXでは過度なスキャルピングを禁止しているところが多い。
海外FXは、この取引サーバーに力を入れている業者が多く、かなりの負荷にも耐えられる。
特に、XMは大きなサーバーダウンもなく、常に安定稼働をしているため安心だ。
また、XM Zero口座のようなECN口座は、取引手数料を徴収することでユーザーが取引すればするほど業者が儲かる仕組みになっているため、サーバー強化に力を入れるのは同然と言える。
この2つが、スキャルピングには海外FXが良いと言われる所以だ。